正直に告白すると、僕は数年前まで「スパイクなんて洗えば洗うほど傷むんじゃないか」と思って、練習後は玄関に脱ぎっぱなし、乾いたら泥を軽く払うだけ……という雑な付き合い方をしていました。
結果はどうなったか。半年でアッパーがひび割れ、インソールは強烈な臭いを放ち、買い替えサイクルはどんどん短くなる一方。エンジニア的に言えば「メンテナンスコストを払わなかったツケを、あとで一気に払わされた」状態です。それでも昔より格段に技術が進歩して、安くて長持ちするようになったなーなどと感心したりして。
そこから一念発起してお手入れの手順を見直したところ、今では同じスパイクを1シーズン以上、型崩れも臭いもほぼなしで使えるようになりました。今回はその過程で学んだ、トレーニングシューズ(トレシュー)とスパイクの正しいお手入れ方法、そして実際に使って良かったグッズをまとめておきます。
そもそもなぜお手入れが必要なのか
サッカーのシューズは、土や芝の汚れ・汗・雨を毎回のようにまとめて浴びる過酷な道具です。汚れや湿気を放置すると、次のようなことが起こります。
- 皮革やソールの接着部分が劣化し、ひび割れや剥がれの原因になる
- 汗や湿気が雑菌のエサになり、強烈な臭いの温床になる
- 型崩れによってフィット感が悪化し、本来のパフォーマンスが出せなくなる
つまりお手入れは「見た目をきれいに保つ」というより、道具としての性能と寿命を守るためのメンテナンスだと考えるのがしっくりきます。
毎回のケア:練習・試合後の3分習慣
丸洗いは頻繁にやる必要はありませんが、使うたびの簡単なケアは欠かせません。
湿気がこもりやすい部分なので、まずここを離してあげるだけで乾きが段違いに早くなります。
アウトソール(靴底)のスタッド周りは特に泥が詰まりやすいので、乾いた状態でしっかり払っておくと後の洗浄がぐっと楽になります。
これだけです。玄関に置きっぱなしにせず、シューズラックなど空気が通る場所に置く習慣をつけましょう。
この3ステップを習慣化できるかどうかで、月1回の本格ケアの手間が大きく変わります。
月1回の本格ケア:洗い方の手順
洗う前の注意点
- 洗濯機は基本NGです。型崩れや接着剤の劣化、素材の傷みにつながります。必ず手洗いしましょう。
- 天然皮革(カンガルーレザーなど)と人工皮革・合成素材では、ケアの仕方が少し異なります。迷ったら「天然皮革は優しく・水分は最小限に」が基本方針です。
基本の洗浄手順
- インソールと靴ひもを外す
- ブラシで表面の土や砂を落とす
- 40℃以下のぬるま湯に中性洗剤(またはシューズ専用クリーナー)を溶かす
- 柔らかいブラシやスポンジに洗剤液を含ませ、円を描くように優しく汚れを落とす
- 固く絞った布や真水で洗剤をしっかり拭き取る・すすぐ
- 風通しの良い日陰で自然乾燥させる
天然皮革のスパイクの場合は、洗浄後に革専用のクリームやローションで油分を補ってあげると、乾燥によるひび割れを防げます。
乾かし方で失敗しないコツ
早く乾かしたいからといって、直射日光やドライヤーを使うのは絶対NGです。皮革が硬化したり縮んだりして、フィット感が大きく変わってしまいます。
おすすめは、シューズの中に新聞紙や乾いたタオルを詰めて湿気を吸わせる方法です。数時間おきに新聞紙を交換すると、型崩れを防ぎながら効率よく乾かせます。
洗った直後でまだ水が滴るような状態なら、床に直置きするよりシューズ用ハンガー(クリップタイプ)でベランダや物干し竿に吊るす方が効率的です。左右がぶら下がって接地せず、内側までしっかり風が通るので、新聞紙作戦と組み合わせるとかなり乾きが早くなります。
気になる臭い対策
サッカーシューズの臭い問題は永遠のテーマですが、対策はシンプルです。
- 使用後は必ずインソールを外して陰干しする
- 重曹や竹炭、シリカゲルなどの乾燥剤・消臭剤をシューズ内に入れておく
- 消臭・抗菌スプレーを使用後にひと吹きしておく
- 同じ靴を連日履かず、しっかり乾かす時間を確保する(後述のローテーションが効きます)
「毎回のケア」の3ステップと組み合わせるだけで、臭いの発生源になる湿気と雑菌の繁殖をかなり抑えられます。
保管方法もひと工夫
シーズンオフや長期間使わない期間は、以下を意識すると次に履くときの状態が全く違います。
- 完全に乾かしてから収納する(生乾きはカビと臭いの元)
- シューキーパーや丸めた新聞紙で型を保つ
- 通気性のある布製シューズ袋に入れ、湿気がこもらないようにする
- 直射日光や高温多湿の場所を避けて保管する
お手入れを続けると見えてくること
ここまで手順の話ばかりしてきましたが、実はお手入れを習慣にして一番よかったのは「時短」でも「節約」でもなく、シューズとの付き合い方そのものが変わったことです。

愛着が湧く
毎回ブラシで泥を落として、月1回は手洗いして……とやっていると、単なる道具だったスパイクが、だんだん「自分の相棒」みたいな感覚になってきます。汚れ方ひとつで「今日はよく走ったな」と振り返れるのも、雑に扱っていた頃には気づかなかった感覚でした。



蹴り方のクセがわかる
丁寧に洗っていると、ソールやアッパーのすり減り方をじっくり観察する機会が増えます。つま先の外側ばかり削れている、利き足側だけスタッドの減りが早い、といった偏りは、そのまま自分のキックフォームや体重のかけ方のクセを映す鏡です。コーチに指摘される前に、シューズが教えてくれることも意外とあります。



買い替え時期がわかる
きれいな状態をキープしていると、逆に「ソールの減り」「アッパーの伸び・ひび割れ」「クッション性の劣化」といった、汚れに隠れていた劣化サインに気づきやすくなります。汚れっぱなしだと、ボロボロになってから初めて気づいて慌てて買い替える、なんてことになりがちです。



複数のシューズをローテーションして長持ちさせる
トレシュー・スパイクを2〜3足ローテーションで使うのも、地味に効果的なコツです。1足を毎日酷使すると、乾ききる前にまた汗と泥を吸わせることになり、劣化も臭いも一気に進みます。数足を交互に履いて、しっかり乾燥・お手入れの時間を確保してあげるだけで、それぞれの寿命がぐっと延びます。予算が許すなら、天然芝用・人工芝用・トレーニング用で使い分けるのもおすすめです。
おすすめのお手入れグッズ
実際に使ってみて「これは効果を実感した」というグッズを、用途別に紹介します。
汚れ落とし・洗浄用
- コロニル カーボン クリーニングブラシ/カーボン クリーニングフォーム
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泡立てて円を描くようにブラッシングするだけで、土汚れがしっかり浮き上がります。頑固な汚れには同ブランドの「シャンプーダイレクト」も心強い相棒です。

ポチップ
- ミズノ ZERO+ シューズシャンプーキット
-
合成素材のトレシュー・スパイク向けの専用洗浄キットで、初心者でも手順通りに進めやすいのが魅力です。

ポチップ
天然皮革ケア用
- コロニル ウォーターストップ(カラーズ/カラーレス)
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油分補給と防水を同時にでき、革の乾燥・ひび割れ対策に効果的です。

ポチップ
- コロニル コンビホワイト
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白い天然皮革スパイクの傷や色あせが気になったときの補色用に便利です。

ポチップ
防水・保護用
- 防水スプレー
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合成皮革・天然皮革どちらにも使える防水スプレーを、洗浄後・完全乾燥後にひと吹きしておくと、雨天時の汚れ・水染み防止に役立ちます。スプレーは20cmほど離して、全体にムラなくかけるのがコツです。
乾燥用
- シューズ用ハンガー
-
洗った直後の水が滴るシューズを吊るして乾かせるアイテムです。床置きより風通しがよく、左右セットで一気に干せるので、複数足をローテーションしている人には特に便利です。

ポチップ
消臭・保管用
- 重曹・竹炭・シリカゲルの乾燥剤
-
シューズ内に入れておくだけで湿気と臭いをまとめてケアできます。

ポチップ
- 消臭・抗菌スプレー
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練習後のひと吹き習慣におすすめです。
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ポチップ
- シューキーパー
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型崩れ防止に加えて、除湿・消臭機能付きのタイプを選ぶと一石二鳥です。
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ポチップ
まとめ
サッカーのトレシュー・スパイクのお手入れは、突き詰めると「毎回の軽いケア」と「月1回の本格洗浄」の2段構えに集約されます。
- 使うたびにインソールを外してブラッシング、日陰で乾燥
- 月1回、ぬるま湯と中性洗剤で手洗いし、直射日光を避けて乾かす
- 天然皮革は防水・保湿ケアもセットで
- 消臭剤とシューキーパーで保管環境を整える
- 2〜3足をローテーションして、それぞれの寿命を延ばす
道具のメンテナンスを丁寧にやると、単純に長持ちするだけでなく、履くたびの気持ちよさも全然違います。すり減り方から自分のクセに気づけたり、劣化サインで買い替え時期を見極められたり、シューズと向き合う時間そのものが意外と面白くなってきます。次の練習前に、ぜひシューズボックスを開けて「うちの子(スパイク)」の状態をチェックしてみてください。










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