自宅警備:DIY防犯カメラ設置の実録レポート

「自宅は安全」と思ってますよね。自宅だけでも安全・安心で憩いの空間にしたいものです。
でも最近は、不在時の空き巣だけでなく、在宅時であっても押し入り強盗が侵入してくるというニュースをよく見聞きするようになりました。

少しでも犯罪を抑止するために、防犯カメラは重要なアイテム。
我が基地(自宅)にも防犯カメラを3台設置しました。
今回の記事では、DIYで防犯カメラを設置した作業記録をお届けします。

DIYで防犯カメラを設置したいと考えている方に、設置位置や機種選定のポイントをお伝えします。
また、新築時にカメラ設置を考えている方には、設計の際に仕込んでおくポイントも参考になるはずです!

私はカメラ画像認識のエンジニアとしても活動しているので、防犯カメラ関係にも比較的詳しいので、きっと役に立つでしょう

目次

防犯カメラの効果

防犯カメラの設置には多くの効果があります。以下に防犯カメラの主な効果を紹介します。

  1. 犯罪の抑止効果
    防犯カメラが設置されていることで、潜在的な犯罪者は行動を抑制されることが多いです。カメラの存在そのものが犯罪を未然に防ぐことに繋がります。
  2. 証拠の提供
    万が一犯罪が発生した場合、防犯カメラの映像が証拠として役立ちます。警察や保険会社に提供することで、迅速な対応や解決に繋がることが期待されます。
  3. 安心感の向上
    防犯カメラが設置されていることで、住民や訪問者は安心感を感じることができます。特に高齢者や子供のいる家庭では、防犯カメラがあることで安心して生活することができます。
  4. リモート監視
    スマートフォンやパソコンを使って、リアルタイムで映像を確認できるため、外出先でも自宅の様子を確認することができます。これにより、異常があった場合に迅速に対応することが可能です。
  5. 業務効率の向上
    店舗やオフィスでは、防犯カメラを設置することで従業員の行動を監視し、業務効率を向上させることができます。また、不正行為の防止にも役立ちます。

これらの効果により、防犯カメラは個人宅だけでなく、商業施設や公共施設などでも広く利用されています。防犯カメラの設置は、安心で安全な生活環境を実現するための重要な手段の一つです。

カメラの設置計画と準備

まずは計画から始めます。
家のどのエリアを監視したいかを決め、それに基づいて防犯カメラの設置場所、機種選定を検討しました。
ここではカメラの設置場所の検討ポイント、新築なら設計時に仕込んでおきたいポイント、カメラの選定ポイントを紹介します。

設置場所

今回は、玄関前、庭、そして道路沿い・駐車場の3つの重要なポイントにカメラを設置することにしました。
道路や隣地との境界線の約70%をカバーできました。

玄関前

目的

不審者や訪問者の確認。荷物の受取時にも便利。

設置ポイント

玄関が道路沿いでなく、奥まったところにあるため、玄関に向かって歩いてくる訪問者をほぼ正面上部から撮影できる場所を選定。また、玄関前の置き配場所も映るようにした。

目的

陽当たりのよい南側で、窓が多く侵入経路となりやすいため、監視エリアに。庭木や家庭菜園の定点監視にも。

設置ポイント

侵入者の動線を広くカバーできる位置に。フェンスや植え込みで隠れがちなエリアも見通せる位置を選定。

道路沿い・駐車場

目的

道路沿いから敷地内に入ってくる人を監視。自動車の盗難や当て逃げの監視。

設置ポイント

車全体が映るよう高めの位置に。

新築で仕込んでおきたいこと

新築時に防犯カメラを設置するメリットは、後から配線工事をする手間が省けること。
最近ではソーラー電池給電でWifi無線伝送タイプの配線なしの防犯カメラもありますが、安定的に動作し、ネットセキュリティ面で不安が少ない有線タイプをお勧めします。
私の場合、以下の点を事前に計画しました。配線だけして、カメラ設置はDIYすることでコスト低減。

  • 配線の埋め込み
    外壁に沿わせて配線を行うのではなく、壁内にLANケーブルを埋め込むことで見た目もすっきり。
  • 電源供給の確保
    カメラ設置予定箇所の近くにコンセントを設置。または、PoE(Power over Ethernet)対応カメラならLANケーブルで電力供給が可能。非常用としてコンセントにする考えもあり。
  • 設置場所の事前検討
    家の間取り図を使って、侵入経路や死角を想定。カメラの設置高さと画角も考慮して、最適な設置位置を割り出しました。

なお、新築時に配線する際に、外壁からケーブルを出す入線カバーは、コンパクトな下記カバーを設置しました。ご参考まで。

カメラの選定

カメラ選びは非常に重要です。今回私が選んだのは以下の基準を満たすものです。

  • 解像度
    高解像度のカメラを選ぶことで、映像が鮮明に記録されます。ただ、解像度が上がると記録容量も増加して、記録できる時間も減ります。最低でもFullHD(1920✕1080画素)くらいは欲しいです。
  • 夜間撮影
    赤外線機能付きのカメラを選ぶことで、夜間でもクリアな映像が撮影できます。
  • 防水・防塵
    屋外に設置するため、IP66以上の耐久性があるもの。
  • 取り付けの簡単さ
    DIYで設置するため、取り付けが簡単なものを選びました。
  • 録画装置との互換性
    カメラ映像を表示、記録する装置との互換性を考慮します。今回はカメラと同じメーカーの録画装置とセットで検討して購入しました。

この他にも、スマホでリアルタイム映像を外出先から確認できるアプリ連携機能の有無、動体検知機能なども需要が多そうですね。

あとは、固定カメラでなく、PTZカメラというカメラを遠隔で動かして監視するエリアを変えたり、ズームしたりできるカメラもあります。動体検知で自動追尾する機能もついていたりします。ただ、可動部が多いということは故障のリスクも高まるので、個人的にはあまりお勧めしません。

私の場合は、さらにネットワークカメラ製品のインターフェイスを標準化するONVIF準拠という視点でも選定しました。カメラ映像を宅内ネットワーク上の別の機器で、認識や加工表示することを画策しているので。

将来のカメラや録画装置の交換、システム拡張の際にも、ONVIF準拠製品を使っておくことで総合的なコストを抑えられますね

必要な材料・道具

ここでは、今回DIYした防犯カメラシステムの概要と、設置した機器、使用した材料や道具をご紹介します。

今回DIYした防犯カメラシステム

ここでは実際にDIYして構築した防犯カメラシステムの概要をご紹介します。

下の図に全体のシステム構成図を示します。
カメラ3台は、PoE対応でLANケーブルから給電されるタイプのものなので、カメラ1台あたりの配線は1つのLANケーブルのみで完結します。このLANケーブルが防雨入線カバーのボックスを通して室内に入り、LANコンセントまで配線されています。今回新たに導入したPoE対応のビデオレコーダーは、このLANコンセントを介して3台のカメラ映像を取得します。これらの映像は、Hubを介してビデオレコーダーにアクセスすることで、宅内のどのPCからもWebブラウザで見ることができます

今回は、この図のピンク色で示した部分を新設しました。防雨入線カバーからLANコンセントまでの配線は、新築時に設計段階でカメラの設置場所を検討していたため、既設状態からのスタートです。

設置した機器

今回、実際に設置した機器たちの写真を次に示します。

具体的には以下の機器を設置しました。
カメラ3セットビデオレコーダーです。

  • Reolink製 PoE有線接続ネットワークビデオレコーダー RLN8-410
  • Reolink製 PoE 4K画質防犯カメラ RLC-810A x2台
  • Reolink製 PoE 4K画質防犯カメラ RLC-820A

入手したときの総額は¥66,000 ほどでした。2024年11月時点では¥50,000 ほどで入手できそうです。

材料

使った材料のリストを示します。

  • アウトレットボックス:未来工業製 PVK-AOPM x3個
  • 丸皿小ねじM3.5x10mm+ナット x10セット
  • RJ45コネクタ(LANケーブル用コネクタ) x3個
  • マスキングテープ
  • コーキング材
  • すきまパテ

道具

使った道具は、主にアウトレットボックスを加工するときの道具、取り付け時の道具です。

  • ドリル(穴あけ用)
  • ホールソー or ステップドリル
  • プラス・ドライバー
  • ノコギリ(金属用)
  • かしめ工具(LANケーブル用コネクタ専用)
  • コーキングガン
  • 脚立 or はしご

DIY設置のステップ

ここでは、具体的な設置手順をご紹介します。

STEP
妄想設計(シンプルな完成姿をイメージする)

現状は次の写真のように、すでに防雨入線カバーからLANケーブルが出ている状態からのスタートです。この状態で長い間放置してました、見苦しい。。。

当初は、単純にこの入線カバーのすぐ横にカメラを壁付けすることをイメージしていたのですが、できるだけケーブルは表に出さずに、できるだけコンパクトに!っと欲張って妄想していたら、次の完成写真のようなイメージが湧いてきました。

スリムデザイン!”

我ながら、よい収まりだと、自画自賛
いかがでしょうか?

STEP
ボックスのベースを加工

完成イメージに向けて、必要な下準備として、(アウトレット)ボックスを入手し、加工していきます。

下の写真のように、ケーブルや入線カバーもすべて収まり、かつコンパクトにするために、ギリギリのサイズのボックスを入手しました。

このボックスに、入線カバーごと抱き込むための大きな穴をあけます。
DIY初心者で高尚な道具は持っていないので、ひたすらドリルで穴あけ加工をして、くり抜きました。
これは3台分、同様に穴あけしました。

STEP
ボックスのフタを加工(タイプ1:RLC-810A)

カメラを壁面にねじで固定する際に、位置合わせしやすいように下の写真のような穴位置を確認しやすい用紙が付属していたので、これを活用してボックスのフタ側に穴あけ加工をしました。
このとき、カメラのベース部分にある配線用の穴が下側にくるような配置で用紙を貼り付けました。雨滴が侵入した際の水抜きのために下側へ。その追記した印が「D」(=DOWN)と書いてある線です。

これをもとに、穴あけ加工した後の写真が下です。ビスの穴と、カメラ本体からのLANケーブルを通す穴を中央にあけました。LANケーブルの結合部にソケットがついていたので、それを通すために若干大きめになっています。今回は、見た目がタケノコみたいなステップドリルを使って、小さい穴を広げました。

このフタにカメラを実際に取り付けた写真は次です。固定には、別途準備した丸皿小ねじを使って、裏面はナット止めしました。

STEP
ボックスのフタを加工(タイプ2:RLC-820A)

もう一つのタイプのカメラは、通常は軒下や天井などの水平面に設置する想定の構造のようですが、垂直な壁に設置するようにしました。防雨、防滴面でも問題なさそうなので、次の写真のように立てて使います。

このタイプは、先のタイプ1と違ってベース・プレート状のものを先に設置する構造となっています。
このプレートも同様に、フタにねじの穴と、ケーブル用の穴をあけて固定しました。
このとき、プレートがフタのねじに干渉しているため、ちょっと削り取りました。もちろん想定内です(汗)

プレートは金属製なので、金属用のノコギリでカットしました。

STEP
LANケーブルコネクタ製作

さて、カメラ設置に向けて下準備が3台とも整いました。

今度は、カメラ設置場所での作業に移ります。

壁から生えているLANケーブルを適当な長さに切断し、コネクタ部をDIYします。

コネクタ部のDIYは下記のページが参考になりました。

ここでの作業は次の点に注意します。

  • PoE対応の場合、電気が流れるので屋内側のLANケーブルは接続しないように
  • 比較的高所での作業となるので転倒、転落等に注意します

配線を間違えないよう慎重に行いましょう

STEP
ボックスの設置

いよいよボックスを入線カバーを抱き込む形で、壁面に固定します(下の写真)。
壁面にはあらかじめ下穴をあけて置くと、ねじ止めがスムーズですね。
また、後述するコーキング処理をするために、マスキングテープをあらかじめボックスに貼っておくと楽ちんです。

STEP
ケーブル接続して、カメラ設置

いよいよLANケーブルを接続して、カメラ本体を固定したフタをかぶせます。
ボックスはギリギリのサイズを使用しているで、若干無理やりにケーブルをしまい込んで、ねじは仮止めしておきます。

STEP
映像確認

ここで一旦、室内に戻って、LANコンセントにビデオレコーダとLANケーブルで接続します。
ビデオレコーダの詳細な設定は割愛しますが、無事に映像が映っていれば成功です!!
映っていなければ、LANコネクタ部の配線が間違っていないか再度確認です。

STEP
カメラの画角調整

カメラ映像を実際に見て、監視したい範囲と一致するようにカメラのヨー、ロール、ピッチ方向を微調整します。
所望の位置が確定したら、仮止めしていたねじや角度調整ねじをしっかりと締め上げます。
この締め上げ作業の際に、画角がずれるというのはあるあるネタなので、締め上げ後も再度画角を確認してください。

STEP
防雨・防虫対策

最後の仕上げとして、すきまから雨や虫が侵入しておこないようにし、仮に雨が侵入したときにも水が抜けるように考慮しました。

下の写真で示すように、ボックスと壁、ボックスとカメラ台座の境目にはシリコーン材でコーキングしました。このとき、マスキングテープで養生しておくことで、仕上がりがまったく違います。
ボックスの下端には、仮に内部に雨滴が侵入したとしても水分が抜けるように穴を2つあけました。虫が入れない程度の小さい穴を。

また、写真では見えませんが、角度調整のヒンジ部分には紙粘土のようなすきまパテを使って、雨滴が侵入しないように対策しました。

カメラの設定・確認

ビデオレコーダーで取得した3台のカメラ映像は、宅内のLANに接続すれば、どのPC、スマホからもWebブラウザ経由で見れるようになります。
これで、我が基地(自宅)の玄関、庭、道路沿い・駐車場の3地点、隣地境界線の約70%が監視下に入りました。

下の図は実際のビデオレコーダーへWebブラウザでアクセスしたときの例です(夜間の赤外映像)。
カメラの切り替え、設定変更、リアルタイム監視、過去のプレビューが可能となりました。

使ってみた結果

我が基地(自宅)でこの防犯カメラシステムを運用して、約半年が経ちました。
今回のDIYはそれなりの初期コストや手間がかかりましたが、

結果は大成功でした!!

使ってみた結果をまとめてみます。

  • 安心感の向上
    リアルタイムで周辺の状況が確認でき、また過去にも遡って映像確認でき、カメラに見守られている感がある。
  • 犯罪抑止力を実感
    カメラが設置されているだけで、見られている感があるのと、住人自体が防犯意識が高いというアピールにつながる。夜間には、カメラの赤外LED照明がさりげなく点いているが分かるので、暗闇でも存在感あり。
  • 定点観測ログ
    防犯向けではないが、庭の植栽やポタジェの生育状況を映像としてログ保存できる。
    庭に動物のフンがあったときに、遡って落とし主を特定できるにゃ
  • メンテナンスフリー
    設置してから半年間、なにもしてない。一度、クモの巣を払っただけ。

まとめ

自宅の重要なポイントをしっかりとカバーする3台の防犯カメラが設置できました。
カメラの存在によって犯罪抑止効果が高まったはずです。

DIYでの設置は手間がかかりますが、自分で行うことでコストを抑え、自由にカスタマイズできるのが魅力ですね。
新築時に仕込んでおくことで、有線タイプのカメラであっても見た目がすっきりとした仕上がりになります。

一部でも参考になる部分があったらうれしいです。
皆さんもぜひ、挑戦してみてください!

最後までお読み頂きありがとうございました。
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