我が基地に車輌「三菱自動車 デリカ D:5」を配備してから早5年。
ディーラーでの法定点検時に、「バッテリーが2019年製でかなり劣化しています。早めの交換をお勧めします。」と。 放電テストの結果も見せてくれて納得。
でも、エンジニアなんだからバッテリーくらい自分でサクッと交換できるでしょ?費用も安く済むよね?と天の声が聞こえてきた。。。
そして、ディーラー点検でバッテリー交換を見送ってから早数ヶ月。重い腰を上げて、ようやくバッテリー交換をDIYしてみたので、その作業記録です。
バッテリー交換の費用は?
そもそもバッテリー交換にかかる費用はどのくらいなのか、見積もってみます。バッテリー交換費用は、大きくは次の3つに分類でき、それぞれの費用はおおよそ次のようになります。
バッテリー本体代:4,000~40,000円
工賃:550~3,000円
廃棄料:0~1,000円
バッテリー本体代
バッテリー本体代は、容量等によって大きく異なりますが、費用はおおよそ4,000~40,000円です。なかでも、EV車やHV車、アイドリングストップ対応車のバッテリー本体代は、高額になる傾向です。さらに、メーカー純正品となるともっと高くなるようです。
工賃
工賃は、550~3,000円が相場のようです。
廃棄料
古いバッテリーを廃棄するには、0~1,000円で引き取ってもらう必要があります。自治体等ではほとんど回収してくれません。ただ、業者にバッテリー交換を依頼する場合は、無料で回収してくれる店が多いです。
DIYでバッテリー交換する場合は、不用品回収業者等に引き取ってもらう必要があり、1,000円ほどかかる場合があります。
バッテリー交換を安くする方法は?
バッテリー交換の費用を安く済ませるには、以下の方法があります。
- バッテリーをネット等で購入し、交換だけを依頼する
- バッテリーをネット等で購入し、自分でバッテリー交換を行う
バッテリーをネット等で購入し、交換だけを依頼する
ディーラーやカー用品店でバッテリーを購入するよりも、ネットで購入する方が安い傾向にあるようです。バッテリー本体をネットで購入し、交換作業だけを業者に依頼して、費用を抑えます。
ただし、持ち込みでのバッテリー交換には対応していない業者もあるので、事前確認が必要ですね。
バッテリーをネット等で購入し、自分でバッテリー交換を行う
自分でバッテリー交換も実施して、工賃を抑えます。ただし、それなりに大容量の電気を扱うので、重大な事故やケガにつながるので、取り扱いには十分な知識と注意が必要です。
バッテリーの選び方
さてさて、バッテリー交換の費用を安く済ませられそうなことが分かったので、購入するバッテリーを決めていきます。
バッテリーは、英数字で表された「バッテリー型式」を見て、自分の車に適合するものを選ぶ必要があります。
基本的には、いま搭載されているバッテリーと同じ型式を選べば問題なさそうですね
通常車用バッテリー
通常車用バッテリーは、4種類のパートからなる型式で示されます。
例えば、バッテリーに「95D23L」と記載がある場合は、下記の通り。
- 95 →バッテリーの総合性能ランク。始動性能や容量を表す。数値が大きいほど性能がよい。
- D →バッテリーの短側面のサイズ(JIS規格で決められた幅✕高さの区分)。A~Hまでで、Hが最大。
- 23 →バッテリーの横幅(cm)。この場合、約23cm。
- L →電源端子の位置。プラス端子が左の場合、L。プラス端子が右の場合、R。ただし、短側面サイズがF,G,Hの場合は表記なし。
はじめの数値以外は、いま搭載されているバッテリーと同じ英数字のものを選べば問題ないですね。
アイドリングストップ搭載車用バッテリー
アイドリングストップ搭載車は、車の停車・発進のたびに停止と始動を繰り返します。そのため、通常車用バッテリーよりも高い耐久性や充電性能を求められる点が特徴です。詳細は割愛します。
ハイブリッド車用バッテリー
ハイブリッド車には「メインバッテリー(駆動バッテリー)」と「補機用バッテリー」が搭載されています。しかし、メインバッテリーは電源電圧が100V以上または200V以上もあるため、低圧電気取扱特別教育の受講が義務付けられています。通常、DIYで交換するのは、比較的寿命が短い補機用バッテリーのみとした方が安全ですね。
この補機用バッテリーの型式は、通常車用バッテリーの型式の先頭に「S」の文字が付きます。
今回は、現在搭載されているバッテリーは「95D23L」でしたので、「100D23L」を選定してみました。
実践!バッテリー交換
ここでは、実際に私がバッテリー交換に使用したものや、交換手順について紹介します。
正しい知識を持たずに、バッテリー交換をするのは大変危険です。
正しい順序と注意点をしっかりと事前に把握してから作業を始めます。
バッテリー交換に必要なもの
バッテリー交換を自分で行う際に必要なものは、以下の通りです。
道具・消耗品
- ゴム手袋
- スパナ
- 保護メガネ
- 紙やすり/ワイヤーブラシ
- メモリーバックアップ装置(+単3乾電池8本)
- グリースメント
設置するもの
- バッテリー カオス N-100D23L/C8 標準車(充電制御車)用(Pansonic製)
- バッテリー寿命判定ユニット LifeWINK N-LW/P5(Panasonic製)
バッテリー交換の手順
バッテリー交換するときには、以下のポイントに注意します。
- 端子取り外しの順番は「マイナス端子→プラス端子」
- 端子取り付けの順番は「プラス端子→マイナス端子」
- 保護具を装着して作業する
1.エンジンを停止し、バッテリー端子を外す
まず、エンジンを止めてキーを抜いたら、ボンネットを開けます。
ここからの作業は、保護メガネとゴム手袋(感電防止のため)をつけましょう
開けてすぐに気付きますが、デリカ D:5の場合は、下の写真のようにエアダクトがバッテリーの上を通っているため、これを外します。手前矢印のビスを2箇所外し、奥の矢印ははめ込んであるだけなので手前に引っ張ると抜けます。
すると、バッテリーが見えてきました。本体は樹脂製のステーに載っています。取っ手状のパーツをボルト締めして押さえつけ、走行中の振動でずれないようにしている仕組みのようです。ここで、赤いカバー覆われているのがプラス端子、むき出しのがマイナス端子です。
ここで、いきなりバッテリー端子を取り外すと、ナビの設定やトリップメーターなどがリセットされてしまいます。設定を保存したい場合は、バックアップ電源を用意することで解決します。
今回は、エーモン工業製のメモリーバックアップ装置を利用しました。
このメモリーバックアップ装置は、単3乾電池を8本使用して電圧12Vを作り出し、バッテリーを外している間の電源となってくれるものです。
装置本体のフックを起こして、ワイパーに引っ掛けました。
次に、バッテリー端子のプラス側へ赤、マイナス側へ黒のクリップを挟みます。プラス端子はカバーがついているので、カバーを上げて、下の写真の箇所をつかみました。
クリップを挟んだ状態で、バッテリー端子をマイナス→プラスの順に外します。端子を取り外すときは、必ずマイナス→プラスの順番で行います。このとき、プラス側端子が車体に触れないように注意します。また、スパナなどの金属で接触させないようにしてください
端子が汚れている場合、紙やすりやワイヤーブラシを使用して汚れを取り除きます。
この後、バッテリーを引き上げる際に端子ケーブルが邪魔にならないように、次の写真に示すように一時的にガムテープで吊り上げました。
2.バッテリーを固定しているステーを取り外す
バッテリー本体の固定ボルトを外して、バッテリーを引き上げます。デリカD:5の場合、次の写真のようにステーごと引き上げることができます。バッテリーは重たいので慎重に扱うようにしてください。
このとき、カゴ内がけっこう汚れているので、この機会にきれいに掃除しておきましょう。
ステーのカゴ内の掃除はこのタイミングでしかできないので、是非
3.新しいバッテリーをステーで固定する
いよいよ新しいバッテリーに交換します。
今回使ったバッテリーは、このバッテリーです。
Panasonic製のカオスシリーズのブルーバッテリー。デザインがすてき
これはバッテリー本体に持ち手が付いているので、先にステーを設置してから、バッテリー本体をステーに載せました。バッテリー端子の位置が反対にならないように気をつけます。
ちなみにデリカD:5では、ステーの下部には突起があって、その突起が車体側の穴にハマる構造になっています。
さくっと載せて、ボルト固定したのが次の写真です。エンジンルームの中で、異彩を放っています。
4.バッテリー寿命判定ユニットとともに端子を取り付ける
つぎに、バッテリー端子をプラス→マイナスの順に取り付けていきます。そして、メモリーバックアップ装置のクリップをマイナス→プラスの順に外します。
ここで、バッテリー端子のナットを締める際に、今回はバッテリー寿命判定ユニットを装着しました。
Panasonic製バッテリーを新品取り付けした、このタイミングでしか設置できないよ
バッテリー寿命判定ユニットは、バッテリー端子のナットを締めるときに、端子を抱き合わせて締めることで装着します。ユニット本体は、バッテリーの液口栓(排気孔)にかからない位置に、両面テープでくっつけます(次の写真の位置はあまりよろしくないですね)。
ケーブルを軽く揺すってみて、緩みがないことを確認してください。
5.後始末
端子部分を保護するために、グリースメントをヌリヌリしました。
最後に、バッテリーの上を通っているエアダクトを元の位置に戻し、設置作業は完了です。
設置後の確認として、エンジンを始動させ、バッテリー寿命判定ユニットのLEDをチェックします。エンジン始動性能LEDレベルが1~5が流れるように点灯すればOKです。
この時点まできて気付きました。バッテリー本体の取っ手は取り外せること、バッテリー寿命判定ユニットの取り付け位置が微妙だということを。
最後の後始末として、古いバッテリーは特殊なゴミ扱いとなるため、処分するのに費用がかかります。新しいバッテリーの購入店舗や不用品回収業者などに依頼して、正しく処分してもらいましょう。
まとめ
車のバッテリーをDIYで交換してみたら、意外と簡単でした。
費用は約20,000円で済み、節約しつつ、バッテリーの知識を得て、DIY経験値が上がりました。
みなさんも、あらかじめ正しい知識を持って、正しい手順で実施すれば、安全に交換作業を進められます。
この記事や他のWEBサイトやYouTUBEなどを参考にして、ぜひDIYしてみてください。あくまで自己責任で安全に実施してください。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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